薮 (2007)
"1990 年代半ばまでの研究で、PPP は長期的には成立しているものの、均衡からの乖離が解消されるのにかなりの時間がかかること、がわかってきた。Rogoff (1996)は、こうした結果を総括し、①実質為替レートの変動が非常に大きいこと、②実質為替レートの均衡からの乖離が解消されるのに長い時間(半減期3~5 年)がかかること、を指摘し、この結果をPPP パズルと呼んだ。
(中略)
これらの結果がPPP パズルと呼ばれる理由は、経済モデルではこのような実質為替レートの性質を説明できないからである。例えば、Chari et al. (2002)は、価格粘着性を考慮した動学的一般均衡モデルでカリブレーションを行うことで、実質為替レートの半減期は1.5 年程度と短いことを示した。つまり、価格粘着性を考慮したモデルでは、なぜ半減期が3~5 年もかかるのかを説明できなったのである。"
薮 (2007)「購買力平価(PPP)パズルの解明: 時系列的アプローチの視点から」
http://www.imes.boj.or.jp/japanese/kinyu/2007/kk26-4-4.pdf
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